1/11 列車移動

 朝9時バマコ出発、約30時間でダカールに着くはず。しかし正確につくことはまずないという。

 駅には世話になった人たちが見送りにきてくれ、写真と手紙を必ず送ると約束して列車に乗り込んだ。

 僕らの席はクシェット(寝台車)冷房付き!
20車両以上のうちクシェットは1車両、1等席は2車両、食堂車1車両と後は自由席の2等席だ。マリの首都バマコと西アフリカ一の貿易の街ダカールを結ぶだけあって2等席は物資を運ぶ商人、出稼ぎの人、さらに泥棒とごった返している。1等、クシェットはそれなりの身分の人が乗っている。

 線路は古くて自然の地形を利用していて、くねくねしているため、60km/h以上でない。時には歩いた方が速いと思うときもある。

 エクスプレスと言っても各駅停車でそれぞれ、10分以上停車する。駅に着くとすぐ、地元の物売りがやってきて窓越しに買い物ができる。パンやフルーツなど食べ物から民芸品まで結構楽しめる。

 食堂車ではコーラなどの冷たい飲み物からコーヒー、サンドイッチなどの軽食ができる。ただサンドイッチといってもフランスパンに味のついたミンチが挟んであるだけだがこれが結構いける。

 お昼時に食堂車に行くと自動的にランチになり、簡単なコース料理がでてくる。

ク シェットは2段ベッドで冷房が入っていたが、これでもかと言うほど冷やしてくれて寒いほどだ。部屋の中では昼でも寒くて寝袋に入っていた。

 車と分かれてからの持ち物は着ているTシャツ、Gパン、フリース、寝袋、スイスアミーナイフ、地図、コンパス、マグライト、薬など必要最小限であったが、どれも非常に役に立った。

 真夜中、また列車が止まったと思ったら、入国管理官らしき人が回ってきた。僕ら異国の人間は事務所まで行かなければなららず、寺ちゃんがまとめて行ってくれた。約1時間ほどかかって完了し再び列車は出発。

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 列車の中ではすることもなくほとんど寝て過ごしていたが寝るのも飽きてきた。
 部屋の中は寒いし、外は暑い。

 とにかく暇な時間だけが過ぎ、到着予定の夕方になった。しかし着く気配がない。
 地図で調べてみるとまだ100Km以上もある。
 結局ついたのは夜11時過ぎ。まだ大きな故障もなくその日のうちに着いただけラッキーだったらしい。

 バマコで高桑さんに教えてもらっていた、駅近くのホテルに入った。

 久しぶりに見るテレビに感動! 番組表を見ると、毎日夜7時にパリダカニュースをやってるらしく、他のみんながどうなっているか気がかりなので明日から見るように心がけた。

 この日も久しぶりに体をよく洗い、何日も代えていないTシャツや、パンツ、靴下も洗ってから寝た。